利用者主体の福祉サービスへの転換
10年前から札幌の障がい福祉に携わってきた佐藤竜太郎氏は、利用者が本当に求める場所や活動を選べない現実に直面し続けてきました。既存のサービスでは本来のニーズとかけ離れた選択を余儀なくされる方が多く、「人生の主人公は自分自身」という理念のもと、2022年に株式会社ONEを設立。現在運営する生活介護事業所eachでは、障がいの有無を問わず、誰もが自らの意思で選んだ場所で暮らせる社会の構築を進めています。
福祉業界で働くスタッフの環境改善にも着目しており、支援する側と受ける側の双方がワークライフの充実を図れる体制づくりに力を注いでいます。正直、小規模事業所だからこそ実現できる理念の具現化だと感じました。障がいを抱える方々も支援者も、それぞれが主体性を発揮できる環境を日々の実践で形にしています。
川沿10条で実現する個性重視のケア
札幌市南区川沿10条に構える生活介護事業所eachは、「それぞれ」を意味するeachという名前に込められた思いを体現する拠点です。多様な背景を持つ仲間たちが個性を認められながら集う場所として機能しており、大規模施設では困難な、一人ひとりへの丁寧なアプローチを可能にしています。小規模運営の利点を活かし、利用者の状況をじっくり観察しながら個別性の高い活動を展開中です。
「スタッフのやってみたい気持ちを形にして、みんなで事業所を作っていく感じです」という現場の声が印象的で、経験年数に関係なく対等な立場で活動を創造していく風土が根づいています。古参・新人の区別なく、利用者とともに日々変化に富んだプログラムを通じて、互いに充実した時間を共有できる職場環境となっています。
垣根を越えた相互支援の形
利用者とスタッフという立場を超え、お互いの持つ強みや得意分野を発見し合う姿勢を重視しています。生活介護サービスでは日中の時間帯に集まった仲間と生産活動や作業に従事し、外出やレクリエーションも活発に実施。買い物や散歩といった地域活動を通じて、「自分らしさとは何か」という共通の課題に仲間とともに向き合える環境を提供しています。
居宅介護では利用者宅を訪問し、食事・入浴・排泄・家事といった生活支援に加え、ショッピングや旅行の同行、悩み相談まで幅広く対応しています。食事やトイレが困難な方への介助、送迎サービスなどの専門的支援についても、未経験者に先輩スタッフが丁寧に指導する仕組みが整っています。喜びや楽しみを分かち合える関係性の構築が、障がいのある方の暮らし全体を支える基盤となっています。
変化に富んだ成長環境での実務経験
小規模事業所の特性を活かし、スタッフは多種多様な業務に関わりながらスキル向上を図れる体制が整っています。現在働くスタッフの実感として「最初は不安ばかりでしたが、利用者さんの笑顔で毎日元気をもらいながら楽しく働けています」という声が上がっており、利用者との交流から得られる充実感が日々のモチベーション源となっています。
毎日変化のある環境で新鮮な経験を重ね、楽しさと困難の両方を味わいながら着実に成長していける職場です。小さな歩みにも意味を見出し、「障がいがあってもなくても、自分で選んだ場所で自分らしく暮らせる社会」という目標に向かってスタッフ一同が前進しています。札幌の障がい福祉における新たなモデルケースとして地域貢献を続けています。


