関西圏で広がる調剤薬局40店舗と、その先の在宅医療
関西エリアに40店舗を構えるハートフルケアGroupの調剤薬局は、単なる薬の受け渡し窓口ではない。1997年から訪問薬剤管理を開始した歴史を持ち、在宅や老人ホームでの訪問管理ノウハウを25年近い試行錯誤の中で構築してきた。24時間365日の訪問体制を社内の輪番制で確保し、基幹薬局には無菌調剤設備を整備。中心静脈栄養や注射剤の混合まで対応できる体制は、在宅医療の現場で医療依存度の高い利用者を支えるための実践から生まれたものだ。
フィジカルアセスメントを推進して食事・排泄・睡眠・動作・精神状況の変化を継続観察し、薬剤の副作用防止と安全使用の確認を行っている。大型全自動錠剤分包機の導入で一包化・セッティングの迅速化も進んでおり、利用者の服薬管理負担を軽減する仕組みが整っている。「地域医療に貢献する攻めの姿勢」を掲げるグループの薬局が、他の薬局のモデルとして参照される背景には、この積み重ねがある。
終末期を含む施設ケアへの、真摯な向き合い方
「自分が入りたい高齢者住宅にしよう」という言葉を職員全員で共有して、2015年8月にサービス付き高齢者向け住宅の運営を開始したハートフルケアGroup。施設内に訪問介護・訪問看護の両事業所を立ち上げ、医療と介護の連携を施設の中で完結させる体制を整えた。ユマニチュードの導入、五味調和を活かした食事、音楽テーマのレクリエーションと、暮らしの質を高めるためのアプローチを複数組み合わせている。リハビリによる機能回復・維持のプログラムも継続的に行われており、入居後の活動性維持に繋がっているという声が届いている。
ターミナルケアへの取り組みは、施設の範囲にとどまらず自宅への展開も視野に入る。24時間訪問看護の体制で看取りまで対応できる準備を整えており、「人生の最後に過ごす時期がとても大切」という思いをハードとソフト両面で実現しようとしている。老人ホームのドミナント形式での複数展開により、関西エリアでの面的な対応網を着実に広げている段階だ。
介護サービスの全段階をグループ内でカバーする構造
2000年の介護保険制度スタートに合わせてケアプラン作成と福祉用具サービスで参入したハートフルケアGroupは、以来25年かけて介護サービスの全段階に事業を広げてきた。訪問介護、デイサービス「楽しみや」、サービス付き高齢者向け住宅と、在宅から施設まで連続してサービスを利用できる流れが整っている。「楽しみや」では季節の飾りづくりや共同作業療法を取り入れており、デイサービスへの通いが楽しみになっているという利用者の声が報告されている。同一グループ内に作業療法士・栄養士・介護士・保育士が在籍するため、横断的な専門職連携が現場で実現しやすい。
介護予防の観点からは頭と身体のリハビリ型デイサービスの展開を加速させており、セルフメディケーション支援として医薬品・化粧品・衛生材料の販売も手がけている。薬局の相談窓口にインターネット相談を加える計画が進んでおり、より多様な相談に応じられる体制へと進化を続けている。「介護の重度化予防」と「利用者の自立支援」を事業の両軸に据えた姿勢が、長年の介護サービス展開を通じて現場に定着している。
995名の多職種が連携する、グループ内の横のつながり
薬剤師・看護師・作業療法士・栄養士・介護士・保育士など複数の専門職が同一グループに在籍するハートフルケアGroupは、組織の横のつながりの強さを競争力の源泉としている。医療介護ネットワーク事業部では「ぴったりホーム」による老人ホーム入居者紹介と医療介護コンサルタント事業を展開し、グループ外の事業者とのネットワーク構築にも力を入れている。企業主導型保育園の運営を含めた事業全体で、子育て世代から高齢期まで幅広い層の生活に関与している。総勢995名がさまざまな分野で活躍する組織規模は、単独事業の事業者では持ちにくい連携密度を実現している。
「社員とその家族が幸せだからこそ、患者さまに幸せの輪を広げることができる」という信念のもと、職員の教育・評価・キャリア形成に継続的な投資を行っている。資格取得支援・内部研修・大学との共同研究を組み合わせた人材育成の仕組みがあり、外国人介護人材の養成にも注力している。人事評価の「見える化」とキャリアパスの明示が職員の動機づけに繋がっているという実感が、現場から報告されている。


